わたし、式場予約しました!

 一真は笑った瑠可を見て、

「やっぱり、誰かにフラれたんだろう」
と言い出す。

「副支配人。
 この人、クビにしてください」
と一真を指差すと、ええっ? と言いながらも、早田は笑っていた。

「だいたい、お前はおかしい」

 おいおい。

 いきなり、この式場スタッフは説教を始めたぞ、と思う。

「誰かへの当てつけに結婚したいとしてもだ。

 何故、まず此処に来る。

 最初にするべきことは、相手を見つけることだ。

 まず、友だちに誰かいい人が居ないか訊いてみる。

 次に、コンパに行く。

 親に頼んで見合いをセッティングしてもらう。

 それから、結婚相談所に行く。

 何故、それらを全部すっ飛ばして、此処に来る」

「勢いです」

「……そういう奴だったな、そういえば」
とまとめられてしまった。