わたし、式場予約しました!




 一真に連れていかれたのは、広い庭のある一軒家だった。

 友だちが家を建てるとき、ハウスメーカーに一緒に見学に行った。

 このモデルハウスがそのまま欲しい、と友人が言うと、びっくりするような金額を提示された。

『このモデルハウスは、お客様にお見せするために、様々なオプションをつけているので、このような値段になるんです」
と営業の人の微笑まれたが。

 これは、まさにモデルハウスそのままのような家だった。

「あのー、先輩、ご家族の方もいらっしゃるんじゃないんですか?」

 だったら、肉が足りないが、と思いながら訊くと、一真は玄関を開けながら、
「いや。
 父親が転勤になって、みんなついてって居ないんだ。
 まあ、入れ」
と言う。

「お、お邪魔します〜」

 それにしても、でかい家だ。

 先輩は、お坊ちゃんだったのか、そうは見えないが。

 そんな失礼なことを思いながら、履けと言われたスリッパを履いて、瑠可は家に上がった。

 玄関ホールの吹き抜けを見回し、
「先輩、こんな広いおうち、お掃除どうしてるんですか」
と問うと、

「気が向いたときに、使うところしかしていない。

 埃っぽい部屋を使いたかったら、自分で掃除しろ」
と言われる。

 いやいや。

 人様の部屋を勝手に覗いたりはしないんで、と思いながら、一真について歩いた玄関からキッチンまでは、とりあえず、綺麗だった。