食事会に向かう車の中、両親が前に座っているので、当然、自分と和歩が後ろに並んで座ることになった。
親たちは、いまいち、目的のレストランの場所がわからないらしく、ああだこうだと言い合っている。
瑠可も和歩もそれぞれ近くの窓で頬杖をつき、眩しい外を眺めていた。
しばらく、エンジン音と両親の声だけが聞こえていたが、ふいに、そこに和歩の声が混ざった。
「昨日は、佐野と一緒だったのか」
振り向いてみたが、和歩はこちらを見てはいなかった。
相変わらず、窓の外を眺めている。
「ああ、先輩も居たけど」
そのまま、和歩がなにも言わないので、気まずく、
「岡田さんって男の人も居た」
と付け加えると、
「三人か」
と訊いてくる。
「そう。
佐野先輩が岡田さんを紹介してくれたの」
それは別に言ってもいいだろう、と思って言うと、和歩は何故か、
「……莫迦か、あいつは」
と言った。



