「来たな、瑠可」
木曜の夜、シャンテという地下にある居酒屋の前の道で一真は待っていた。
目立ち過ぎです、先輩……と思った。
いや、ただそこに立っているだけなのだが、なんだかこの人はいつも訳のわからない迫力がある。
あんた、果たし合いに来たのか、というような雰囲気があった。
油断したら、斬られそうな気配を感じる。
そんな一真が小丁稚を一人連れていた。
違うか。
これが一真が連れてきてくれた相手のようだ。
別に一真の陰に立っているわけではないのだが、彼のせいで、そう見えてしまう。
「岡田、こいつが、浜野瑠可だ。
瑠可、俺の遊び仲間の岡田昌司(まさし)だ」
そう紹介されたのは、確かにイケメンではないが、可愛らしい顔をした、おとなしそうな顔をした男だった。
年齢を聞くと、年上だったが、些か頼りない感じがある。
「は、初めまして」
と言うと、岡田は赤くなり、
「初めまして」
と返してくる。
「今日は俺がついててやる。
気が合ったら、俺を通して、付き合いたいと言ってこい」
「はあ、ありがとうございます」



