わたし、式場予約しました!

「行くわよ、もちろん。

 じゃあ、新しい服、買っちゃおうかなー」
と言うと、なんでだ、という顔をする。

「お前、芋が焼けるくらい服持ってるだろうが」

「お兄様……。
 その例え、ちょっとよくわからないんですが」

 そう言いながらも、なんとなく想像がついた。

 恐らく、彼の頭の中で、こんもりと盛った落ち葉のような大量の服が連想されていたのだろう。

 子どもの頃一緒に裏山の葉っぱをかき集めて、火をつけて怒られた。

 二人で、焼き芋をしようとしたのだが、よく考えたら、枯れ葉とマッチはあったが、芋がなかった。

 こうして考えると、和歩も私と同じくらい阿呆な子どもだったんだな、と気がついた。

 人が言う程、こいつ、完璧だろうかな、と思いながら、兄を眺める。

 みんな外見に騙されてんじゃないの?

 寡黙でクールというより、発想が人とずれていて、ちょっと天然ボケが入っているので、発言のタイミングがずれているだけなんじゃ、と思いながら、つい、和歩の顔を凝視していた。

「なに人の顔見てるんだ」

「いや、たまたま、そこにあったから。
 ねえ、確か、お嬢さまなんだよね、その人」
と訊くと、

「まあ、坊ちゃんじゃないな」
と和歩は言う。

 相変わらずだな、と思ったとき、スマホが鳴り出した。