わたし、式場予約しました!

 彼は、少し笑って、頭を下げ返してきた。

 相変わらず、静かな人だな、と思う。

 見るからに、里に振り回されていそうな人だ。

「はいっ、これ、端のあの二人づれのテーブルっ」
と既に忙しく動き回っている真子(まこ)さんという店員さんにお膳を二つ渡される。

 真子はちょっとふっくらとしていて、年齢がわかりづらいが、既に手の離れた子どもが二人も居る。

「うっ」
と二つ膳を抱えて、固まっていると、里が、

「ああ、無理無理。
 その子は一個ずつ。

 ほんとに役に立たないんだから」
とカウンターの中から叫ぶ。

「いや、だから、何度も言うように、私は、此処にご飯を食べに……

 お待たせしましたーっ」

 結局、人波が引けるまで働いてしまった。