わたし、式場予約しました!

「私もそう思う。
 もう、ただおにいちゃんを好きだった頃には戻れない気がする」

 そう言ったとき、和歩に抱き寄せられていた。

「瑠可」
と呼びかけられ、強く口づけられる。

 あのときみたいだ、と思った。

 一真が現れて、和歩とそして、自分とも仲良くなった頃。

 和歩が部屋で突然、キスしてきた。

 好きだけど。

 やっぱり、この人が好きだけど。

 長い間、感情を抑え込んできたせいで、そう思う自分を制止ししようとする強い感情も同時に湧いてくる。

 激しい懺悔の気持ちというか。

 一真よりも強引に和歩に引き倒れされる。

 だが、胸許にかかった和歩の手が止まった。

 この間、一真につけられた痕が薄く残っていたようだった。

 和歩は自分がその痕を消そうとするように強く口づけてくる。

「……ねえ、お願いやめて」
と和歩の後頭部に触れたとき、下から声がした。

「瑠可ー。
 お風呂入るのー?

 栓抜いちゃうわよー」

 息が止まるかと思った。

 寝たのかと思った母親が起きていたようだった。