昼過ぎに一真が病院に連れていってくれて、薬が効いたのか。
その前に熱が上がったのがよかったのか、すっきり治った。
これなら、ボルダリングにも行けそうだ、と思っていると、誰かがドアをノックした。
「はーい」
と返事をすると、和歩が入ってきた。
「移らないよう、わざわざ俺が行ったのに、佐野は来たのか」
と言う。
「おにいちゃん、いい加減、佐野はやめたら?
本当に俺たちは仲がいいのかって、先輩、不安がってたよ」
「そうだな。
俺の弟になるのなら、佐野はおかしいな」
それなら、私の佐野先輩もおかしいが、と思っていると、和歩は少し迷って言った。
「お前、本当に佐野と結婚するのか」
「そのつもり」
迷わず言った自分に和歩は驚いたようだった。
「もう決めたの。
佐野先輩と結婚する」
「どうしてだ」
「どうしてだっておかしくない?」
と眉をひそめたあとで、瑠可は言った。
「今日、看病してもらって、口は悪いけど、やっぱり優しいなって思ったから。
……とか?」



