わたし、式場予約しました!

「和歩にはその女が。
 お前には俺が居る。

 お前たちは道を間違えたんだ。
 もう戻れない」

「道を間違えたんだって。
 普通、そういうときは、なにかフォロー入れてくれませんか?」
と恨みがましく見上げると、一真は言う。

「入れるわけないだろ?
 それに、お前のために言ってるんだ」

「え」

「此処で、俺と踏み出せ。
 そしたら、吹っ切れるから」

「……好きでもないのに、そんなこと出来ません」

「なに言ってるんだ。
 見合いだったら、出会って間もない相手とやるんだぞ」

「先輩、表現が……」

 なんだか嫌です、と思ったとき、見合いという言葉に和歩と綾子の姿がよぎった。

 綾子さんは好きだけど、やっぱりやだな、と思ったとき、一真が言った。

「俺と進もう。
 きっと和歩を忘れられる。

 今の苦しさも、そのうち消える」

 一真は思いがけないくらい優しく、そっと手を握ってくる。

 掴まれたその手を見つめ、瑠可は思わず、黙り込んでしまった。