わたし、式場予約しました!

 スマホは床に転がって落ちた。

「お前は、本当にかけるからな」

「割れるじゃないですかーっ」

「大丈夫大丈夫」

「ほんとに、お母さんすぐに帰ってきますって」

「大丈夫、大丈夫」

 なにひとつ、大丈夫じゃない気がするのだが。

 そのとき、落ちたスマホが鳴りだした。

「あっ、お母さんだっ」

「違う。
 和歩だ」
と足で蹴って遠くにやる。

「着信、見えたんですか?」

「見えないが、和歩だ。
 和歩のような音がする」

 予見の次は、透視ですか。

「ほんっとうにやめてくださいっ。
 撲殺しますよっ」

「やってみろ。
 サスペンスみたいに、その辺に大理石の灰皿があったり、謎の彫像があったりしないぞ」

 瑠可は無言で、側にあった、ルームスタンドを鷲掴みにした。

「殺す気かっ」
「今、殺せって言いませんでした?」