わたし、式場予約しました!

 そのとき、下から声がした。

「瑠可ーっ。
 なにか欲しいものあるー?」

「えっ。
 甘いものー」
と反射的に答えると、

「一真くん、瑠可を見ててね。
 ちょっとお買い物行ってきます」

 戻ってきたら、お茶しましょう、と母親は言う。

「はーい」
と一真は見えもしないのに、振り返り、笑顔だ。

 玄関が閉まり、エンジン音が遠ざかる。

「……行ったな」
と一真は呟いた。

 いきなり布団を捲くると、中に入ってくる。

「なんなんですか、もうっ。
 私、病人なんですよっ」

「だから、俺に移せと言っている。
 添い寝してやろう」

「いーりーまーせーんっ。
 っていうか、お母さん、すぐに帰ってきますからっ。

 ちょ、ちょっと待ったっ。
 警察を呼びますよっ」

 枕許のスマホに手を伸ばすが、払われてしまう。