わたし、式場予約しました!

「なにをですか?」
「瑠可さんに、あのことをですよ」

「結構です」

 そう突き放したような口調で言うと、綾子は笑い出す。

「珍しい。
 なにを怒ってらっしゃるんですか?

 でも、そんなときの和歩さんは可愛らしいですね」
とまで言いだした。

 女の人というのはほんとに。

 幾つであろうとも、精神的には常に女が上だな、と思っていた。

「でも、本当に、これ以上、和歩さんたちにご迷惑はかけられません。

 瑠可さんにも、ご両親にも、私からきちんとお話致します」

「いいですよ。
 どっちも呑気な人たちですから」
と言うと、綾子はまた笑った。

 今日は本当に機嫌がいいようだった。

「後のお金は私が全部払い込んでおきますから、ご心配なさらずに。

 戻ってきたのも、そのまま受け取られて結構ですから」

「いえ、本当にお気遣いなく」

 そう言いながら、とても恋人同士の会話には聞こえないだろうな、と思っていた。

 さっきの、瑠可たちの遠慮のなさに比べれば。

 まあ、見合いなんてそんなものかもしれないが。