なんの絶叫だ、と部屋のベッドで本を読んでいた和歩は、今、自分がすがっている壁を窺う。
瑠可の部屋と繋がっている壁だ。
どうせ、一真と話しているのだろう。
お気楽なカップルだ、と思っていた。
あの二人はなんだかよく似ている。
自分がもし、一真のように、瑠可とただの先輩後輩だったり、幼馴染だったりしたら……
まあ、恐らく、声もかけられていないな、と思った。
それどころか、後輩の女の子に近寄りもしないから。
瑠可に対しても、一真とよく話している可愛い子だな、くらいの認識しか抱けなかったかもしれない。
自分と瑠可は、何処へどう転んでも、うまくいったりしない関係なんだ。
そう思ったとき、携帯が鳴った。
綾子からの着信だった。
とると、すぐに機嫌の良い綾子の声が溢れ出してくる。
「……それはよかったですね」
と相槌を打つ、こちらも気持ちが和んだ。
「……いいえ。
大丈夫ですよ。
瑠可ですか?
元気ですよ」
「和歩さん、私からお話しましょうか?」
そんなことを綾子は言ってきた。



