わたし、式場予約しました!

 危険だ、と瑠可は思っていた。

 元より、一真のことは嫌いではないし。

 こう勢いよく陽気に押されてきたら、お調子者の自分など流されていってしまう。

 かといって、此処で、ぐっと踏ん張ってみても、和歩との未来などないのだが。

「わかりました。

 パスポートは早いうちに取りに行きましょうよ。

 おにいちゃんからは、まだ、なんの指示もないですが」

「そうなのか?

 そういや。
 そもそも、和歩はパスポート持ってるのか?」

「さあ?
 子供の頃は、持ってたような気もするんですけどね」

「持ってたにしても、パスポートも更新しないと、切れてるぞ。

 海外挙式にしては、呑気だな。

 まあ、いい。

 俺は今週は、木曜が休みだ。

 お前も休むか」

 ええーっ、と瑠可は眉をひそめる。

「じゃあ、休めたら、連絡くれ。
 じゃ」
と電話は切れてしまう。

 勝手に決めるなーっと誰も居ない夜道を見ながら、瑠可は絶叫した。