結局、建物の外にある自販機まで、二人で歩いた。
シャキッとするために、炭酸系の新製品のジュースを買ってみたが、なにやら、不思議な味がした。
白い壁に背を預けると、熱がじんわりと伝わってくる。
なんとなく夕べの騒動の一部を話していた。
一真が、これは、運命だと、のたまった辺りだ。
迷わず、麻美は笑い出す。
「わかるわかる。
急に発想が壮大になるのよ、恋をすると。
でも、一真もなるとは意外ね」
珈琲を飲み終えたらしい、麻美も壁にすがり言った。
「私だって思ってたわ、昔は。
好きな人を王子様みたいとか」
「麻美先輩でもですか?」
と言うと、麻美は笑わず、アスファルトを見つめていたが、
「ねえ、和歩に会わせてよ」
と言いだ出した。
「十時以降なら大抵、居ますよ」
「そんなに遅くに行ったら、ご迷惑じゃない?」
「佐野先輩に比べたら、全然ご迷惑じゃないです」
と言ったら、笑っていた。



