「本当にかけるか、ああいうときっ」
「だって、あのときは、本当に警察に突き出してやろうかと思ったんですよっ」
ダイニングに下りた二人は揉めていた。
叱られる前の子供のように、俯いて椅子に座っている二人の前に和歩が立っている。
お前ら、俺の前でなんの話をしている、という顔で見ていた。
そこへ、
「ただいまー」
と両親が陽気な声を上げ、帰ってきた。
「あら、お友達ー?」
といい加減でほろ酔いだ。
カラオケで結構歌ってきたのか、いい感じに声が枯れている。
和歩が両親に向かい、淡々と言った。
「俺の友達で、瑠可の強姦魔が……」
「お、お邪魔してます。
佐野一真です」
「あらー、一真くん、久しぶりー」
もっと遊びに来てね。
イケメンを見ると、若返るわー、と言って笑っている。
お母さん、やっぱり、里さんと姉妹ですね、と思った。
酔うと本音が出るようだ。
父親が、おいおいという顔をしている。



