わたし、式場予約しました!

「もう〜っ。
 パスですっ!」

「よしっ。
 パス終わりな」
と言い様、一真は瑠可を床に引き倒し、上に乗ってきた。

 パジャマの少し開いた胸許に唇を押し当ててくる。

 一真の熱い唇を肌に感じながらも、瑠可は抵抗した。

 だが、そんな瑠可の両手を抑え込んで、一真は言う。

「お前が好きなのは、和歩かもしれない。

 だが、お前は、和歩の次には俺が好きなんだよ。

 昔、天井に張りついてた俺をお前はずっと見てたじゃないか」

 今も、此処から離れて、天井に張りついて欲しいな、と瑠可は思っていた。

「ほら、昔から言うだろう?

 一番好きな相手と結婚したら、うまく行かないって」

 だが、まあ、その説はやめておこうか、と一真は言った。

「ど、どうしてですか?」

「お前はそのうち、俺を一番好きになるからだ」

 一真の自信と重みに負けて、抵抗する気を失いそうになる。

 なにか、この人には、誰も敵わないような気がしていた。

 だが、瑠可の目に、隣の部屋とを隔てる白い壁が目に入った。

 和歩の部屋だ。

「や、やっぱり嫌ですっ」

 最後の力を振り絞って言うと、一真は、
「じゃあ、警察を呼べよ。
 本当に嫌なら」

 ほら、と手探りで引き寄せたスマホを瑠可の手に握らせる。