わたし、式場予約しました!

 俺も此処へ引っ越してきたんだ、と一真は言う。

「だから知ってたんだ。
 幼稚園のときは、こいつら、名字が違ったはずだがって」

 ……あっ、と瑠可は声を上げた。

 あのとき、バリ風の部屋で見た、天井に張りついている一真の夢。

 あれは無意識下で彼を覚えていたから、見たものだったのだ。

「あっ、ボスッ」

「……嫌な幼稚園時代のあだ名を思い出すなよ」

「いやいや。
 お久しぶりです、ボス」

「だから、ずっと居たって言ってるだろ。
 まあ、間はちょっと抜けてるが」

 幼稚園の天井に身軽に張りつく彼をみんなボス猿のようだと崇め奉っていて。

 瑠可も尊敬していた。

 母、里だけは、目の付け所が違い、

「あらー、可愛い顔の子ねえ」
と褒めていたようだったが。

「いや、本当だ。
 ボス、ボスじゃないですかっ」

「繰り返すな」
と一真は赤くなる。