『和歩が先に泣いてくれたから、私は泣く暇なくてよかった』
瑠可はそう言ってくれたが。
「あんたもさー。
何処の馬の骨と結婚するのか知らないけど。
ほんっと優柔不断よね。
優しい男は使えないのよ。
わがままで強引なくらいでいいのよ。
特に瑠可みたいな子には」
なんとなく、一真が頭に浮かんだ。
確かにあいつなら、瑠可をぐいぐい引っ張っていけるだろう。
奥からそっとおじさんが出てきた。
里が、あのときの愛人と別れたあとで出会った、物静かな極普通の会社員だ。
意外とこういう人が里には合っていたようで、もう長く続いている。
雅夫(まさお)は、お盆に乗った晩酌セットを下げてきたようだった。
「もういいの?」
と問う里に、雅夫は、こくりと頷き、
「ごゆっくり」
とこちらを見て微笑んだ。
奥の間に去っていく後ろ姿を見ながら、和歩は思っていた。
本当におとなしい人だ。
言いたい放題、やりたい放題の里と居て、ストレスが溜まらないのだろうか。
それとも、自分のやりたいことをすべて代わりにやってくれるような里を見て、スカッとしているのだろうか。
瑠可はそう言ってくれたが。
「あんたもさー。
何処の馬の骨と結婚するのか知らないけど。
ほんっと優柔不断よね。
優しい男は使えないのよ。
わがままで強引なくらいでいいのよ。
特に瑠可みたいな子には」
なんとなく、一真が頭に浮かんだ。
確かにあいつなら、瑠可をぐいぐい引っ張っていけるだろう。
奥からそっとおじさんが出てきた。
里が、あのときの愛人と別れたあとで出会った、物静かな極普通の会社員だ。
意外とこういう人が里には合っていたようで、もう長く続いている。
雅夫(まさお)は、お盆に乗った晩酌セットを下げてきたようだった。
「もういいの?」
と問う里に、雅夫は、こくりと頷き、
「ごゆっくり」
とこちらを見て微笑んだ。
奥の間に去っていく後ろ姿を見ながら、和歩は思っていた。
本当におとなしい人だ。
言いたい放題、やりたい放題の里と居て、ストレスが溜まらないのだろうか。
それとも、自分のやりたいことをすべて代わりにやってくれるような里を見て、スカッとしているのだろうか。



