わたし、式場予約しました!

「いや、いいよ」
と言いながら、カウンターの木の椅子に腰掛ける。

 何も頼んではいないのに、里は勝手にお惣菜を出してきた。

 自分の好きなものばかりだ。

 まだ覚えてくれていたらしい。

「瑠可も結婚するらしいよ」
と言うと、

「あら、そうなの?
 あの子、自分のことは言わないからね」

 そう言いながら、屈んで醤油の瓶を探している。

 あっさりだな、と思っていた。

 料理に箸をつけないまま、カウンターに頬杖をつき、和歩は呟く。

「なんとなく、俺は結婚しても、瑠可はしないものだと思ってた」

 顔を上げた里が笑う。

「一生?

 相変わらず、勝手でロクでもない男ね。

 やっぱり、あんたに瑠可はやれないわ」