新川(にいかわ)眞紘に引きずっていかれる瑠可を、和歩は見送っていた。
「八月十五日になにがあるんですか?」
と綾子が訊いてくる。
「……お盆でしょう」
と答えると、笑う。
「なんとなくわかってきました。
貴方は、相手を思いやってそうしてるんじゃなくて、ただ訊いてみるのが怖いだけの人なんですね」
意外に切り込んでくるな、この人、と和歩は思った。
いや、彼女の意思が強いことは、最初からわかっていた。
「私はタクシーで帰りますから、瑠可さんを追っていかれたら、どうですか?」
「いえ……」
眞紘と揉めながら歩いていく瑠可を見る。
いつものように、楽しそうな後ろ姿に見えた。



