そんなにジッと見すぎていたのか

松山くんがこちらを向いた。



私はバッと逸らした。






絶対怪しまれた。

でも悪いことしてないよ、

ほんのちょっと見ただけなんだもん。

ほんのちょっと見ただけだし。

他のみんな(主に女子)なんか授業そっちのけで見てるからね!

私の方がまだ偉いもん!


…って何偉そうに言ってんだろ……

虚しくなってきた…



もう授業に集中しよう。



その後松山くんを見ることなく板書を繰り返した。



だから私は知るわけがなかった。



松山くんが私の事を見ていたことも、



私を見ながら不敵な笑みを浮かべたことも。