「私は、貴方の中に眠る力が見てみたいのです。その力を目覚めさせるためには、貴方がピンチになる事です。貴方の命が危険になるくらいの危機が訪れれば、きっと力は解放されますです」

「いやいやいや!! 訳分かんないから!! 大体私にはあんたが思ってるような力はないから!! 見間違いかなんかだよきっと!!」

「いいえ、そんな事はありません。現に今もはっきりと見えていますです。それに、自分の力には、自分自身では気付きにくいものなのですよ」

「だからないって言ってんだろ人の話聞けやボケ!!」


ダメだ、ここまで人の話を聞かない奴だとはまったく思わなかったよ。てか、命が危険になるような状況だったら、ソラと出会ってから頻繁にあってるし。


「安心してください、あくまでそのような状況にするだけで、本当に殺したりはしませんです。でも、どうしてもこの結界から出たいのであれば、私を倒すのです」


ミリンは、格闘家のような構えをする。どうやら本気のようだ。


何でどーしてこんな事になった。本当にもう、ソラとあってからろくな事がないんですが。どーしてくれるんだバカソラ。大体、魔法使いと一般人が戦ったりしたら、勝敗なんて目に見えてるじゃないか。


「―――……本当に、あんたを倒せばここから出られるんだね?」

「勿論です、私は嘘はつかないのです」


でも……脱出方法がコレしかないのなら、やるしかないじゃないか。


私は大きく深呼吸をし、


「やってやろうじゃない。かかってこいや」


威勢よく、啖呵を切った。