私達は、表の世界では生きることができなかった。 光の当たらない、下町での暮らし。 浮浪者が行き交うそこは、常に喰うか喰われるかの厳しい世界で。 弱者は淘汰され、強い者だけが生き残る。 ーーーー殺られる前に、殺らなきゃ。 私と久遠は、身を守る術を得て、躊躇いもなく何人もの人を手にかけてきた。 そんな私達が、陽の当たる場所に居れる筈が無くて。 光から逃げながら、この手を血に染めて生きてきた。 ーーーそんな時 私達は、フォンに出会う。