カーテンの隙間から差し込む光に、目を細める。 寝ぼけた頭を覚醒させたくて、洗面所で顔を洗った。 ーーー洗っている、筈なのに。 私にはどうしても 鏡の中の自分が、血で汚れているようにしか見えなかった。 「……薺。」 鏡越しに、久遠と目が合う。 大丈夫。貴方と一緒なら。 私はーーーーー 「……大丈夫だよ。」