ある、月夜の晩。


錆びれた廃工場の中、ひっそりと咲く花があった。


紅黒く濡れたその花は


月夜に照らされ、不気味に輝く。




ふと、遠くで声がした。



凛と澄んだ、少女の声。




唄う言葉はーーー










【アナタに全てを捧げます。】


fin.