「ッ…、な、んで、…」 力が、入らない。 視界が薄っすらと霞んでゆく。 (ど…して、なんで……) ーーー黒い影が、ゆっくりと私に近づく。 その刹那 綺麗な綺麗な月の光が…… 黒い影を、包み込むように照らした。 「……いい腐り具合ですねぇ…。 ーーーー薺?」 不敵な笑み 柔らかい声 眼鏡の奥の、冷たい瞳 なんで どうして 「どうしてッ…… なんで貴方が……ッ フォンッ‼︎」