「美弦!おはよう。
久しぶりだね」

「おはよう。
久しぶりじゃないけどね。
昨日会ったでしょ?」

「そうでした、アハハ!」





付き合ったあたしたちは、昨日あたしの実家へ一緒に行った。

初めて、美弦が両親と面会した。

本当はもっと早く両親に会わせたかったんだけど、お父様の仕事が忙しくなっちゃって。

お母様だけなら時間があったんだけど、やっぱり両親揃っての面会じゃなくちゃ。





両親と会う美弦は、もっと緊張しているかと思ったけど、思ったより普通だった。

余裕そうな顔で、あたしの実家を興味津々にキョロキョロしてた。

『美海ちゃんの家は大きいね』なんてのんびりとコメントもしていた。


だけど、やっぱり両親といざ会うって時につれ、どんどん口数が減って行った。

顔は相変わらず余裕そうだったけど。

心の中で緊張していると思うと、可愛いと思えて仕方なかった。


そういうあたしも緊張していた。

お父様、何するんだろうって。

美弦には、両親に“スクール・キラー”のことを伝えておいているけど、やっぱりそれを気にしているだろうから。

あたしも一緒になって気になってしまった。


だけど、リビングに入ってきた両親は、いつも通りで。

最初お父様が美弦の名前を聞くと、軽々と『美弦』と呼び始めたし。

お母様も、まるで女子高生のように『美海ちゃんのどこが好きなの』なんて聞いちゃって。

凄く恥ずかしかった。

ちなみに美弦は『全部です』なんて真面目に答えちゃうし。

これには両親もあたしも、真っ赤になってしまった。