2人がなんでこんなに心配するのかは、わかっている。 実は一度、僕は記憶がなくなったことがある。 母さんが亡くなった時だ。 あまりのショックから、一時的な記憶喪失と判断され、大和や紡との記憶もなくなった。 そんな出来事があってから、2人は僕に対してすごく気を使うようになったと思う。 …でもなんでだろう、自分の過去のことを思い出しても全く頭が痛くならない。 「時継?早く食わねぇと昼休み終わっちまうぞ」 「あぁ、ごめんごめん」