あのあとタイミング良くなったチャイムで教室に戻ってきた僕達は、特に何事もなくその日を終えた。




…はずだった。





僕が帰り支度を終えて紡に声をかけようとすると、紡の姿が見当たらない。




先に帰ったのかと思っていたら



「あー、紡なら今準備してるからちょっと待っててやれ」




なんて声が大和からかかった。




「へ?」




なんで大和が知ってるのか聞こうと思ったのに



「そんじゃ、俺部活だからまた明日なー」




「おい、ちょっと大和!」




僕の言葉なんかまるで聞く気なし。




背中を向けて手を降って教室から出て行った。





まぁいつもの大和なんだけど。





とりあえず僕は大和の言葉通り紡を待つことにした。