「でねー!ゆかちゃんが…」
あれ?
僕のドキドキとは裏腹に、全くもっていつも通りの紡。
おかしい。
教室ではもっとこう…表現できないけどいい感じだったのに。
「中端くん?聞いてる??」
「わぁ!」
急に目の前に紡の顔が飛び込んできて、思わず声を上げてしまった。
「そんな驚くなんて、失礼だよ!!」
そう言って片頬を膨らませる紡は、怒っているはずなのにものすごく可愛かった。
「ごめんごめん」
もう驚かないからと言って、紡の頭にポンポンと軽く触れる。
こうすると紡は、顔を赤らめて
「別に…いいんだけどね…」
と照れながら許してくれるんだよね。

