なにがごめんなんだろう? こっちが助けてもらったというのに。 「ううん、それじゃあ行こうか」 少し気になりはしたけど、たいしたことではないだろうと僕は立ち上がって下駄箱に向かう。 僕の少し後ろを歩いている彼女が、今にも泣き出しそうな顔をしていることにも気づかずに。