突如駅に電車の到着を告げるベルが鳴り響く。 私は誰よりもはやく、その場所に駆けつけた。 プシューと音がして電車のドアが開く。 たくさんの人の中で、彼はすぐに見つかった。 相変わらずカッコいい顔。 黒は嫌だと、就職してから染め直した明るめの茶髪。 そして、鋭く力強い目。 私は彼に走りよった。 最初彼は驚いた顔をしていたけど、すぐに笑顔になった。 「ただいま、紗良」 「おかえりなさい、雷」