出発の日。 紗良や家族はもちろん、友達もたくさん見送りに来てくれた。 「頑張れよ」 「応援してっからな」 「連絡寄越せよ」 そのすべてに返事をしたときはもう出発の時刻だった。 ここから空港までは電車で。 そこからは国際線に乗っていく。 最後に紗良と向き合った。 「絶対迎えに来るから。待ってろよ」 そう言って紗良にキスをした。 すると紗良は大粒の涙をボロボロ落としながら、何度も頷いた。