大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「じゃあ何なのよ」



「うっ、そ、それは………」



もごもごと言いかけた龍生が、突然、顔をしかめた。



「いって………」



小さく呟いて胸を押さえている。



「大丈夫!? 痛いの!?」


「あ? 痛くねえし!」



龍生は慌てたように顔を上げて、平然とした表情をつくる。



「うそだ! ほんとは痛いんでしょ!

やっぱりナイフが刺さったの!?

病院いかなきゃ!!

あ、救急車………」



「ちげえよ、ちがうって。

刺さってはねえよ。

ただ、けっこう勢いがあったから、打ち身みてえなもんだよ」



「ほんとに? 打ち身ってどれくらい?

血、出てない? ちょっと見せて」



だんだん心配がぶり返してきて、あたしは龍生のシャツのボタンを外そうとした。



すると龍生が「どうもねえよ、ばかやろう!」と怒鳴ってボタンを押さえたから、仕方なく手を引っ込める。