大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

龍生が近づいてきて、あたしの手のひらの上のビー玉を一つ、指先でつまんだ。



「そうだよ。お前の………鞠奈の宝物。

俺があのとき、最初に会ったときに取り上げた………」



そうだ。


そうだった。



いつの間にか忘れてしまっていた、幼い頃の思い出。


龍生と初めて会った日のこと。




『おい、おまえ!

いいもんもってんな。

それ、おれによこせ!』



『やだよ! これ、あたしのだもん』



お気に入りのビー玉を、見ず知らずの男の子に取られそうになって、あたしは必死で抵抗して。


でも、最終的には、龍生の口車に乗せられて、ビー玉を袋ごとを渡してしまったのだ。



「あのときのビー玉………まさか、まだ持ってたなんて」



意外すぎて、あたしはぷっと噴き出した。



「なに、そんなにこのビー玉が気に入ってたの?」



からかうように言うと、龍生の顔がかっと赤くなった。