大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「…………ええぇっ!?

りゅっ、龍生!? の幽霊!?」



「んなわけあるか、ばかやろう!」



龍生が呆れたように言った。


それから「いててて」とうなりながら上半身を起こす。



「いってえな、マジで………。

痛すぎて息できなくなったぞ、一瞬。

やっぱケンカなんてするもんじゃねえな」



龍生は胸を押さえて顔をしかめた。


その胸元には、血痕ひとつ付いてない。



「………え? ど、どういうこと?」



あたしはぽかんとしたまま龍生を見上げた。



すると龍生は、胸ポケットに手をつっこむ。


ポケットには、ナイフの突き刺さった跡なのか、大きな裂け目ができていた。


でも、やっぱり血は出ていない。



「………これのおかげで助かったんだよ」



龍生がぼそりと言って、胸ポケットから何かを取り出した。