大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「―――龍生………」



ささやきかけるように呼んだ声は、掠れて震えていた。


あたしは涙に滲む目をぎゅっとつぶって、倒れこんだ龍生の体の上に突っ伏する。



「………なんで? どうして?

なんで、こんなことに………」



今までの思い出が、あたしの頭のなかを一気に駆け巡る。



龍生と初めて会った日のこと。

子分宣言をされたこと。


毎日のようにからかわれたりいじめられたりしたこと。


それでも、あたしの好きな花をとってきてくれたり、あたしを犬と散歩させたりしてくれた。



昔から、誰よりも恐いけど、誰よりも優しかった龍生。



高校生になって再会したときも、やっぱり龍生はすごく怖くて。


でも、龍生は捨て犬を放っておけなくて、こっそりと公園で面倒を見ていた。

近所の子どもたちとも遊んであげていた。



やっぱり龍生は、誰よりも恐くて、誰よりも優しい。