大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「龍生、龍生ってば!

なに寝てんのよ、こんなとこで!」



あたしはさらに龍生を揺さぶる。


龍生はもう何も言わない。



刺された左胸を押さえていた手も、力なく投げ出されていた。



「………りゅ、う、せい……龍生!

何してんの、しっかりしてよ!

早く帰ろうよ!

オーレが龍生のこと待ってるよ!」



あたしの叫び声は、虚しく空に吸われていくだけだ。



「………お、おい。

これ、やべえんじゃねえの?」



つんつん頭が震える声でロン毛に言う。


ロン毛も青ざめた顔で呆然としていた。



「………にっ、逃げるぞ! 早く!」



二人はよろよろとした足どりで、一度も振り返らず、なにかに追われるように走り去っていった。



その後ろ姿をぼんやりと見送ったあたしは、追いかける気力も起きない。