大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

龍生はやっぱり何も答えない。


ちらりと見上げると、無表情のまま二人を睨み下ろしていた。



その反応がロン毛の癇にさわったらしい。



「………てめえっ、もう我慢できねえ!」



ロン毛は今にも切れそうな叫びをあげ、学ランのポケットに手を突っ込んだ。



「オラァッ!!」



雄叫びと同時に、勢いよく何かを突き出す。



龍生が目を剥いて、身体を反らした。


でも、あたしをかくまっているせいで上手く動けない。



あたしの目に、その光景はスローモーションのように映った。



叫ぶロン毛。


目を見張るつんつん頭。


顔をしかめる龍生。



―――ロン毛が突き出した、果物ナイフ。


ナイフの刃がぎらりときらめく。



その刃が、後にひけない龍生の左胸に―――深くのめりこんだ。