大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「………同時に走って逃げるぞ」



龍生は前を向いたまま、二人に聞こえないよう、小さくあたしに囁いた。


あたしは龍生の背中でこくりと頷く。



龍生がじり、と僅かに後ずさる。


それから、二人からは見えないところで、合図をするようにあたしの肩を軽くつつく。



その瞬間、あたしと龍生は同時に走り出した。



………でも。



「待て、コラ!!」



予想していたのか、二人はすぐに追いかけてきた。


龍生があたしの手を握り、引っ張るようにして走ってくれる。



でも、男二人にぴったり後ろを追いかけられて、女であるあたしが逃げ切れるはずもなかった。



「………くっ」



龍生は足を止めて、あたしの腕を引いて背後に回らせた。



すぐ目の前に、大きな背中。


無意識のうちに、あたしはその背中にしがみついていた。