大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「………馬鹿にしてくれんじゃねえか!!」



ロン毛が突然叫び声をあげた。


ぐっと足を踏み込んで、ぶんっと腕を振り上げる。



あたしははっと息をのんだ。


それからふと冷静になる。



ちがう、これは殴り合いのケンカなんかじゃなくて。


龍生は殴り合いなんかしないんだから。


勝負をつけるときは、じゃんけんだって―――




―――ガツッ!!


硬いものがぶつかり合う、鈍い音がした。



あたしは目の前の光景に驚き、口をぽかんと開いた。



「………ってえな」



龍生が眉をしかめて呟く。


その右手が、殴りかかってきたロン毛の拳をしっかりと受け止めていた。



次の瞬間、つんつん頭が龍生に向かっていく。



「また一対二かよ! ほんっと卑怯なやつらだな!」



龍生は怒鳴りながら、左手でつんつん頭の拳をつかんだ。


また、痛そうな音がする。