大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

それから1ヶ月、あたしたち家族の引っ越し当日。



『―――おい、まりな!』



引っ越し屋さんのトラックに荷物をのせ終わり、お父さんの車に乗ろうとしたところで、龍生がやってきた。


お母さんが目を丸くして、



『あら、龍生くん!

お見送りに来てくれたの?』



と言うと、龍生は顔を真っ赤にして唇を噛み、こくりとうなずいた。



『………おい、まりな!

ちょっと、こっち来いよ』



じっと睨むような表情の龍生に手招きされて、あたしはびくびくしながら近づいた。



『な、なに………』


『これ、やる!』



龍生がずいっとあたしの目の前に差し出したのは、たんぽぽだった。



『え………なにこれ?』



龍生は答えずに、握りしめたたんぽぽ数本を、さらに突き出してくる。


あたしはとりあえず『ありがと………』とお礼を言ってから受け取った。