大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-








その晩、また昔の夢を見た。



『おい………まりな。聞いたぞ』


『え?』


『おまえ、ほんとなのかよ?』


『なにが?』


『………引っ越しだよ!』



小学5年生のあたしの目の前で怒鳴っているのは、まだどこかあどけない顔つきの、小学6年生の龍生だ。



『あ、うん。お父さんが転勤することになって』


『………んだと、コラァ!』



龍生は声変わり前の声で精一杯に凄んだ。


あたしは恐ろしさに震え上がる。



『な、なんで怒るの!?』



『ああん!?

おめーが勝手に引っ越しなんかしやがるからだろうが!!』



『ええっ、しょうがないじゃん!

お父さんの仕事の都合なんだから!』



『知るか、ばかやろう!

俺様の子分のくせに、なに勝手に俺から離れようとしてやがんだよ!』



『勝手にって………だから、しょうがないって言ってるでしょ!』