大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「………とっ、とにかく!

お前、俺から離れるなよ!」



あたしはぽかんとしたまま、真っ赤な顔でそう言う龍生を見つめていた。



「おいコラ、聞いてんのか、鞠奈!」



龍生がまたあたしの鼻をつまむ。



「いったーい! もう、さっきからそればっかり!」


「お前が間抜けヅラしてんのが悪い!」


「間抜けヅラなんかしてないし!」


「してたよ! こーんな顔をな!」



龍生が口を半開きにして、目を大きく見開いた表情をつくる。



「あはは! なにその顔、馬鹿っぽい!」


「んだとコラァ! 馬鹿にすんな!」


「だって龍生、馬鹿じゃん」


「あぁん? 馬鹿じゃねえよ!」


「へえ? じゃ、英語はもう教えなくていいですねー」



にやにやしながら言うと、龍生はぐっと言葉に詰まってから、


「………それは、頼む」


と呟いた。



絞り出すような声に、あたしはお腹をかかえて笑う。


龍生も顔をほんのり赤くしながら、おかしそうに噴き出した。