大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

龍生は唇を尖らせてそっぽを向く。



「べっ、べつに………今日は特別だぞ!

別にお前のことが心配だとかじゃねーからな!

オーレに会いたいからだよ!」



あ、なんだ、そういうこと。


ほんと、龍生って見かけによらず犬好きだな。




ホームに立ってしばらく待っていると、電車がやってきた。



時間が遅いこともあって、車内はあんまり混んでいない。


あたしと龍生はシートに並んで腰かけた。



「オーレに何か買ってってやろうかな。骨っ子とか」


「あー、そだね。オーレさ、最近歯が抜けかわるからか、むずがゆいみたいで、色んなもの噛んでるんだよね」


「そうか。もうそんな年頃か」



しみじみと言った口調が、まるで愛娘の成長に思いをはせるおじさんみたいで、あたしはふふっと笑ってしまう。



「おいコラ、鞠奈。なに笑ってやがんだよ」


「べっつにー?」


「くそ、生意気な!」



龍生がまたあたしの鼻をぎゅっとつまんだ。