大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

あたしに「馬鹿」だとか「アホ」だとかいう暴言を吐く、唯一の人間。



それは………。




「ーーーまさか、りゅ、龍生………?」




あたしは恐る恐る呟いた。



赤髪ヤンキーの細い眉が、くっと吊り上がる。


そう言われてみれば、異常に怖くなってるけど、たしかにあの頃の面影があるような………。




「やっぱり、鞠奈か!

おめー、何でこんなとこにいるんだよ!?」




怒鳴ったヤンキー、龍生の手に力が入り、あたしの顎がぎゅっと締めつけられる。



あたしが「いたたたっ!」と声を上げると、龍生は「あ」と小さく声を洩らして、ぱっと手を離した。



そして、その手を制服のズボンでごしごしと拭う。




「あー、やべぇ、やべぇ!

思わず触っちまった!

あーあ、まりな菌がついちまったじゃねえか、きったねぇな!」




龍生が本当に嫌そうな顔で、そんな失礼なことを言うので、あたしは完全に切れた。