大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

「帰るぞ、鞠奈」



「えっ」



戸惑っているあたしの前で、龍生は前屈みになって、さっき地面に置いた荷物を両手にかかえた。


立ち上がって、またあたしに目を向ける。



「帰るぞ」



あたしは高田くんに視線を投げる。


高田くんはなんともいえない複雑な表情であたしを見つめ返していた。



まだ話が終わっていない、中途半端な状態。


このまま投げ出したら失礼じゃないかな、と思って、どうしようと戸惑う。



何も言えず、動けずにいたら、龍生は踵を返して、すたすたと立ち去りかけた。


思わず振り向き、目で追う。



龍生がちらりと振り向いた。


あたしと龍生の視線が絡まり合う。



「鞠奈」



龍生はいつもの仏頂面のまま、いつもより少し柔らかい声で言う。




「―――俺と一緒に来い、ばかやろう!」