大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

動揺しているあたしをよそに、高田くんの手があたしの顔をくいっともちあげた。



吐息がふれあいそうなほど間近に、高田くんの顔がある。



「………たっ、」



高田くん、と言おうとしたのに、喉が引き絞られたように苦しくて、声が変に震えた。



どくどくどく、と妙に速い鼓動の音が、耳の奥でこだましている。


それはもちろん、ときめきによる胸の高鳴りなんかじゃなくて。


あたしは、こわいのだ。



高田くんが無言のまま、真顔で近づいてくる。



―――やめて。


何をされるのか悟って、あたしはそう言った。


でも、声は出ない。



肩をつかまれた瞬間、あたしは顔を背けた。


高田くんが驚いたように動きを止めたすきに、その手を振り払って、道に飛び出す。