大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-

ここからでは段ボールの中まで見えない。


あたしは意を決して、龍生と子どもたちの目を盗んで公園の中に突入し、すべり台のかげに身をひそめた。



「おい、お前、いい子にしてやがったか? ああん?」



龍生が巻き舌で話しかけた相手は。



「くうん、きゃいん!」



――――子犬だ。


茶色くてころころと丸っこい子犬。



子犬はつぶらなきらきらした瞳でまっすぐに龍生を見上げて、ちぎれそうなくらいにぶんぶんと尻尾を振っている。


龍生も目を細めて子犬を見つめ返している。



それからさっきのコンビニで買った袋を探り、何かを取り出した。



「ほら、食え。腹へってんだろ?」


「きゃんきゃん!」


「遅くなってごめんな」



龍生は袋をあけて犬用のクッキーをふたかけら手にとり、子犬に食べさせて、嬉しそうに笑った。



―――うそ。


あれ、ほんとに龍生?



龍生って、あんな顔で笑うの?